雨がよく降る梅雨の悩みと言えば「洗濯物」。
部屋干しをしたはいいものの、漂ってくるあの嫌な臭い・・・。なんとかしたいですよね。
そこで今回は
- 部屋干しの嫌な臭いをなんとかしたい
- 臭いのついた洋服を直す方法は?
- 早く乾かす方法を知りたい
といった悩みや疑問について紹介したいと思います。
全体の流れとしては
記事構成
- 臭いの原因について
- 嫌な臭いを防ぐ方法
- 臭いがついた後の対処法
- 部屋干しをする際の注意点
こんな感じで進めていきます。
部屋干しの臭いを今すぐなんとかしたい!そんな人はぜひご覧ください。
目次
部屋干しの嫌な臭い。原因は雑菌の「う◯ち」
部屋干しした時に発生する雑巾のような嫌な臭い。実はあれ、洗濯で落としきれなかった汚れを食べた雑菌の「う◯ち」の臭いなんです。
正確に言うと洗濯物に付着した皮脂や水分を「モラクセラ菌」と呼ばれる菌が分解するときに出す代謝物の臭いなんですが、生乾きの状態が長く続くことで増殖し臭いを発するようになります。
モラクセラ菌は温度が高く湿気の多い環境を好むため、部屋干しだけでなく
- 汗をかいた洋服を何日も放置する
- 濡れた洗濯物をカゴの中に入れっぱなしにする
といった場合でも臭いを発するようになります。
汗で湿った洋服や体を拭いたバスタオルをそのまま洗濯カゴや洗濯機に入れっぱなしにする人も多いですが、この状態こそが嫌な臭いの原因と言えます。
ただ「モラクセラ菌」は洗剤に対して強い特性をもつため、しっかり洗ったとしても菌の発生自体を完全に防ぐことはできません。
大切なのは菌を増殖させないこと。
「モラクセラ菌」にとって住みづらい環境を作ることで、部屋干し特有の嫌な臭いを防ぐことができます。
どれも簡単なことばかりですので、ぜひ今日から試してみてください。
部屋干しの嫌な臭いを防ぐ方法
部屋干しの嫌な臭いを防ぐためにはモラクセラ菌の増殖を抑えることが大切だと先程お話ししましたが、そのために必要なのが
菌の増殖を抑えるポイント
- 菌が増殖しやすい環境を作らない
- 菌をしっかり洗い流す
- 短時間で乾かす
の3つです。
1.菌が増殖しやすい環境を作らない
まずは臭いの原因となる「モラクセラ菌」が増殖しやすい環境を作らないようにします。
具体的には洗濯物を濡れたままの状態で放置しないことです。
「モラクセラ菌」を含めた雑菌にとって温度が高く湿気の多い場所はもっとも増殖しやすい場所で、汗で湿った洋服や濡れたバスタオルは格好の餌場になります。
次の日にまとめて洗おうと洗濯かごや洗濯機の中に濡れた状態で放置していると・・・、あっという間に雑菌が増殖するので注意です。
濡れた洗濯物はすぐに洗う。
まずはこれを徹底してもらってすぐに洗濯できない場合も、ハンガーや室内物干しなどにかけるなどして湿気は極力ためないようにしてください。
もちろん洗う前だけでなく洗ったあとも同じです。
どんなにきれいに洗っても「モラクセラ菌」を完全に死滅させることはできません。
脱水したあとにそのまま放置していると・・・。すぐに干しましょう。
洗濯中に用事ができてどうしても干す時間がない!そんな時はすすぎが終わった状態、洗濯物が水に浸かっている段階でストップさせてください。
脱水した状態で放置しているよりも、雑菌の増殖スピードを抑えることができますよ。
2.菌をしっかり洗い流す
「モラクセラ菌」は洗剤に強い耐性をもつため、普通に洗っても完全に落としきることはできません。
そこでおすすめなのが、除菌・殺菌力の高い「酸素系漂白剤」と一緒に洗う方法です。
いつも使っている洗剤に「酸素系漂白剤」をプラスして洗うだけで、雑菌を増殖を抑え嫌な臭いの発生を防いでくれます。
ただ使用する漂白剤は必ず「酸素系」にしてください。「塩素系」の漂白剤を使うと洋服の色や柄まで脱色させてしまうので要注意です。
補足として粉末タイプは「アルカリ性」の性質をもつため、絹や毛といった動物性繊維の製品には使用できません。
アンゴラやカシミヤといった動物性繊維を使った洋服を洗う場合は、「酸性」の性質をもつ液体タイプの漂白剤を使用しましょう。
酸素系漂白剤が含まれた「部屋干し用洗剤」を使用すれば、洗剤と漂白剤を別々に入れる手間が省けるので洗濯がとっても楽になりますよ!
酸素系の漂白剤を持っていない場合は、「重曹」でも代用できます。
お風呂やキッチンの掃除用としてのイメージが強い「重曹」ですが、実は洗濯にも使えます。
弱アルカリ性の性質をもつ重曹は、消臭・殺菌効果はもちろん、シミや黄ばみ、臭いの原因となる皮脂汚れもしっかり除去してくれます。
あまりたくさん入れても効果が高まるわけではないので、入れすぎには注意しましょう。
重曹の効果
- 皮脂汚れに強い
- 消臭・殺菌効果
- 高い漂白力
- 天然由来成分で肌に優しい
洗濯用としてピッタリな重曹ですが、使用する際にはひとつだけ注意点があります。
それは必ず「お湯に溶かしてから使う」ということです。
重曹は水に溶けることで汚れに強い「弱アルカリ性」の性質に変わりますが、水で混ぜても完全には溶けません。
溶けきっていない状態で使うと重曹の効果が薄まるだけでなく、溶けなかった重曹の粒子が洗濯槽に残り故障の原因になるので注意が必要です。
必ず30℃~40℃程度のぬるま湯に溶かしてから使用するようにしてくださいね。
効率よく汚れを洗い流す方法
部屋干しの嫌な臭いは漂白剤や重曹を加えるだけでも抑制できますが、以下の点を意識すればさらに効率よく汚れを洗い流すことができます。
効率よく汚れを洗い流す方法
- 洗濯物は詰め込みすぎない
- 洗剤と水量は適切な量を守る
- インナーは裏返して洗う
縦型洗濯機は水流と洋服同士の摩擦によって汚れを落とす仕組みなので、あまりギュウギュウ詰めに入れると洋服が回らず洗浄力が弱まります。
臭い原因となる雑菌は衣類に付着した汚れを餌に増殖し臭い発しますので、洗濯物の汚れは残さずしっかりと落としきることが大切です。
効率よく洗うためにも洗濯物の量はMAX洗濯容量の7割~8割程度、洗濯槽で言えば7~8分目あたりを上限としておきましょう。
ドラム式はドラムの回転と上からのたたきつけで汚れを落とす仕組みですが、洋服の量が多いとたたきつけの効果が弱まり洗浄力が落ちます。
縦型と同じく、MAX洗濯容量の7割多くても8割程度に抑えておきましょう。
そして効率よく汚れを落とすうえでもっとも大切なのが、「洗剤の量」と「水の量」を守ることです。
洗剤は多く入れたほうが汚れ落ちがいいと思われがちですが、実際は多く入れても洗浄力に大きな違いはありません。
むしろ洗剤を多く入れたことで洗剤の臭いが強く残ったり、泡切れが悪くなり二度洗いの手間が増えるなどのデメリットが発生します。
水の量も同じです。
水量が多すぎると洋服同士の摩擦が起きず汚れ落ちが悪くなりますし、少なければ皮脂や汗など水に溶ける汚れが落ちきらず黄ばみや臭いの原因になります。
洗剤や水量は多くても少なくてもダメです。きちんと分量をはかって適切な量を守りましょう。
洗剤と水量の重要性については下記で詳しく紹介しています。洗剤や水量はいつも適当だ!という人はぜひ一度ご覧になってみてください。 突然ですが少し考えてみてください。「洗濯物の汚れをしっかり落とすには、一番何が重要だと思いますか?」 機能の充実した洗濯機? 洗剤の種類? 一度に洗う洗濯物の量? もちろんどれも間違ってはいませんが、 ...
適当は絶対ダメ!正しい水量を設定すれば洗濯効率も大幅アップ!
臭いの原因となる「モラクセラ菌」は人の皮脂を食べて臭いを発するので、肌に直接触れるインナーは裏返して洗ってやると効率よく皮脂を落とせます。
ただ裏返して洗うと表面の汚れ落ちが悪くなるので、シミや食べこぼしなど気になる汚れが表面にある場合はそのまま洗いましょう。
3.短時間で乾かす
「モラクセラ菌」を含めた雑菌は時間がたつほど増殖しますので、臭いの発生を防ぐには短時間で乾かすことが何より大切です。
もっとも手っ取り早いのは
- 除湿機
- 乾燥機
- エアコン
- 浴室乾燥機
といった電気やガスの力を借りて乾かすやり方ですが、気になるのはやはり電気代やガス代などの光熱費。
頻繁に使えば軽く数千円は上乗せされるとなっては、なかなか気軽には使えないというもの。
ですので、今回は比較的お金のかからない乾かし方を中心に紹介していきます。
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お金をかけずに洗濯物を乾かすためのポイントは次の2つ。
洗濯物を早く乾かすポイント
- 風通しを良くする
- 空気を循環させる
風通しを良くする
まず風通しを良くする方法ですが、これは洗濯物の干し方を工夫します。
具体的には
- 洗濯物同士の間隔をあける
- 太めのハンガーを使う
- アーチ干し
といった感じです。
湿った洗濯物同士が近いと風の通りが悪く乾きも遅くなるので、間隔をあけて風の通り道を作ってあげます。
最低でも10cm。干すスペースに余裕がある場合はさらに間隔をあけましょう。
洋服を並べる際は「トレーナー/シャツ/トレーナー/シャツ・・・」というように、厚手と薄手の洋服を交互に並べると風通しがよくなりますよ!
洋服をかけるハンガーについては細い針金タイプではなく、太めのプラスチック製のハンバーを使用してください。
針金タイプだと洋服の前と後の生地がくっついて、風通しが悪くなります。太めハンガーを使って中の部分にも風の通り道を作りましょう。
最後はアーチ干しです。
アーチ干しとは角ハンガーを使って干すときに、両端が長く中央が短くなるように配置して干す方法です。(こんな感じ)↓
例えば端にはバスタオルやスボンといった長手物を、真ん中には靴下や下着といった短い洗濯物を干すイメージです。
こうすることで洗濯物の下部(アーチ部分)に風の通り道ができ、普通に吊るしたときと比べ早く乾くようになります。
こちらより抜粋
慣れるまで少し面倒くさいですが、ぜひトライしてみてくださいね。
- ワイシャツなどボタンのある衣類はボタンを外す
- ジーンズのポケットは出す
- パーカーなどフード付の洋服は逆さまにして干す
- タオルをハンガーにかける際は半分ではなく少しずらして折る
といったことも併用すると、さらに乾燥時間が短縮されますよ。
空気を循環させる
嫌な臭いを防ぐためには湿気がたまらないよう空気を循環させることも大切です。
部屋の窓や扉をあけて空気を循環させる方法もありますが、おすすめは首振りタイプの「サーキュレーター」を使って風を起こす方法です。
洋服に向かって直接風を当てることで、効率よく湿気や水分を飛ばします。
設置場所は洋服全体にまんべんなく風が当たる位置なら基本どこでもいいですが、おすすめは洋服の真下。
真上に羽根を向けて、首を振りながら洋服全体に風を当ててあげましょう。
「空気を循環させる」という今回のケースにおいては、圧倒的にサーキュレーターの方が最適ですね。
気になる電気代も8時間使用してわずか3円~6円程度と、1ヶ月間毎日使っても200円もかかりません。
洗濯用としてだけでなく暖房や冷房と一緒に使ったときの節電効果も高い商品なので、一台も持っていないという人はこの機会にぜひ購入してみてくださいね。
サーキュレーターを使用する際は飛ばした湿気が室内にたまらないよう、部屋の窓や扉は必ずあけて湿気を外へ逃しましょう。
臭いがついてしまったあとの対処法
部屋干し特有の嫌な臭いは
- 濡れた洗濯物を放置しない
- 漂白洗剤を使って洗う
- できるだけ早く乾かす
の3つを駆使することで防止できますが、すでに臭いがついてしまった衣類はどうすればいいのでしょうか?
真っ先に思いつくのは「天日干し」や「洗い直し」ですが、実は1度増殖したモラクセラ菌は外に干したり洗い直したとしても十分な効果は期待できません。
干した後や洗濯直後は臭いが消えてすっきりしたように感じても、汗をかいたり雨に濡れたりして餌となる水分と皮脂の量が増えると、再び増殖して臭いを発するようになります。
この現象を「臭い戻り」や「戻り臭」と呼んだりしますが、増殖したモラクセラ菌は別の方法で死滅させる必要があります。
その方法というのが「熱湯消毒」です。
モラクセラ菌は乾燥や紫外線には強い耐性を持ちますが、熱にはめっぽう弱い特性があります。
50℃~60℃くらいのお湯に20分ほどつけておくだけで、嫌な臭いを簡単に取り除くことができます。
ただこの方法はある程度高い温度のお湯を使うため、シルクやナイロンなど熱に弱い素材の洋服には向いていません。
むやみに活用すると生地を傷めるだけですので、熱湯につけるまえには必ず洗濯表示を見て確認してくださいね。
熱湯消毒したあとは、そのまま普通に洗濯して短時間で乾かせば完了です。
部屋干しをする際の注意点
部屋干しをするときに悩むのが洗濯物を干す場所。
洗面所やバスルーム、室内物干しを使って干すなどいろいろとありますが、絶対にやめてほしいのがカーテンレールにかけて干すやり方です。
ハンガーをかけやすいレールがあるのでついついやってしまいがちですが、窓際は空気の通りが悪く湿気もたまりやすいので洗濯物を干す場所としては適していません。
窓に結露ができやすいのはもちろん、カーテンの汚れや雑菌が洗濯物についたり湿気がカーテンに移ってカビの原因になります。
なにより洗濯物の重さでレールが曲がる恐れもあります。
部屋干しをする際に最適な場所は、空気がもっとも動く部屋の中央です。
室内物干しを部屋の真ん中に置くと邪魔かもしれませんが、洗濯物を効率よく乾かすためにもできるだけ中央よりに設置しましょう。
まとめ
今回は部屋干し特有の嫌な臭いを防ぐ方法や、臭いのついた洋服の対処法について紹介してきました。
まとめると、雑巾のような嫌な臭いの原因は「モラクセラ菌が増殖したときに出すフンの臭い」。
防ぐためには
- 濡れた洗濯物を放置しない
- 除菌・殺菌力の高い酸素系漂白剤と一緒に洗う
- アーチ干しやサーキュレーターを駆使して短時間で乾かす
の3つが大切です。
そしてすでに臭いがついてしまった衣類の対処法としては、50℃~60℃のお湯に20分程度つけた「熱湯消毒」が効果的です。
どれも今からすぐに試せてお金のかからない方法ばかりですので、部屋干しの臭いをなんとかしたい!そんな人はぜひ今日からトライしてみてくださいね。