宅配クリーニングは実店舗に比べてオプションが追加しやすい環境ですが、「いまいち効果がわからないし料金も高くなるから利用したことがない。」そんな人も多いのではないでしょうか。
そこで今回はクリーニング店で利用できるオプションの種類と効果、そしてオプションに適したおすすめの洋服について紹介したいと思います。
- オプションの種類と効果が知りたい
- どんな洋服にオプションを付けたらいいのかわからない
- オプション料金の相場を知りたい
こんな悩みや疑問のある人にはピッタリな記事です。ぜひ最後まで御覧ください。
全体の流れとしては
記事構成
- 基本的なオプションの紹介
- 用途に合わせたオプションの紹介
- オプションを利用する際の注意点
こんな感じで進めていきます。
オプションを追加すると料金はアップしますが、うまく活用すればより快適により長く着続けることができます。
ぜひこの機会にオプションの種類と効果をマスターして有効活用くださいね。
基本のオプションは3つ
クリーニングで追加できるオプションの種類はお店によって違いますが、多くのクリーニング店で採用している定番のオプションは次の3つです。
クリーニング店の定番オプション
- シミ抜き加工
- 撥水加工
- 汗抜き加工
それでは一つずつ見ていきましょう。
1.シミ抜き加工の効果と詳細について
シミ抜き加工は衣類についた気になるシミ汚れをきれいに落としてくれる最もポピュラーなオプション加工です。
コーヒーや血液などの水溶性の汚れから、油や口紅といった油性の汚れまでプロの技術と専用の薬剤を使ってきれいに落とします。
シミ抜き自体は漂白剤やベンジンを使えばある程度自分でも処置できますが、生地を傷めたりシミの範囲が広がったりする恐れもあるので、自信のない人やお気に入りの洋服などはプロに任せるのが無難と言えるでしょう。
ただシミが付いてから時間が経って沈着したシミや、インク・塗料系のシミ、黄ばみ、黒カビなどはプロの技術を以ってしてもきれいに落ちないこともあるのでその点は注意が必要です。
傾向としては
比較的落としやすいシミ汚れ
- 水溶性のシミ汚れ:コーヒー、ジュース、お茶、血液、汗など
- 油性のシミ汚れ:食用油、ファンデーション、口紅、皮脂など
- たんぱく質系のシミ汚れ:牛乳、ご飯
落としにくいシミ汚れ
- インク系のシミ汚れ:ボールペン、万年筆、墨汁など
- 塗料系のシミ汚れ:ペンキ、毛染め液など
- 接着剤のシミ汚れ:アロンアルファ、ボンドなど
- 時間が経って沈着したシミ汚れ
- 黄ばみや黒カビ
といった感じです。
またシミ抜き加工はシャツやパンツなど一般適な衣類を対象としたオプションなので、皮革製品や毛皮製品、着物といった特殊衣類には対応していない点も合わせてご注意ください。
シミ抜き加工の料金相場は?
シミ抜き加工のオプション料金は、大体400円~1,000円くらいが相場です。シミ抜きに力を入れているお店になるほど料金は高くなりますね。
安く済ませるなら、実店舗ではなく宅配クリーニング店を利用しましょ。
2.撥水加工の効果と詳細について
撥水加工はシリコン樹脂やフッ素樹脂といった特殊な加工剤で洋服の繊維をコーティングし、水や油を弾いて汚れを付きにくくするオプション加工です。
- 急な雨でダウンジャケットやコートが濡れてしまった
- うどんの汁やパスタのソースが飛んでネクタイが汚れた
こんな経験ありませんか?
撥水加工を施せば水やソースが衣類にかかったとしても、下記のように染み込むことなく丸い水滴となってコロコロと転がり落ちていきます。
よく似たオプションに防水加工がありますが、こちらとは少し効果が違います。
どちらも水を弾くという意味では同じですが、衣類の表面全体を覆うようにコーティングする防水加工に対し、撥水加工は衣類の繊維1本1本にコーティングを施します。
「撥水」と「防水」の違い
- 撥水加工:衣類の繊維1本1本にコーティング
- 防水加工:衣類の表面全体をコーティング
大きな違いは空気を通すか通さないかという点です。
防水加工は衣類の表面全体にゴムや樹脂といった水分を通さない物質で完全にシールドするので水を弾く力は強いですが、空気の通り道となる繊維と繊維のわずかな隙間もふさいでしまうため通気性が悪くなります。
一方撥水加工は繊維の隙間をふさぐわけではないので、通気性がよくムレの心配がありません。
内側からの熱を発散し外側からの水だけを弾くので、湿気の多い時期でも快適に着れるのが大きな特徴です。
ただその分水を弾く力や持続期間が防水加工に比べて劣るので、十分な効果を維持するためにワンシーズンに1~2回程度の定期的な撥水加工が必要になります。
撥水加工におすすめな衣類は?
撥水加工におすすめな衣類としては、水に濡れても気軽に洗えないダウンジャケットやコート、スーツ、ジャケットといったアウター系が適しています。
他にもラーメンやうどんの飛び汁でシミになりやすいネクタイや、スキーウェアやスキーグローブなどのウィンタースポーツ用にもおすすめです。
撥水加工の料金相場は?
撥水加工のオプション料金はお店や洋服の種類によっても変わりますが、大体450円~1,000円くらいが相場です。
5点○○円や10点○○円といった定額制の宅配クリーニングを利用すれば、一点あたり300円程度とかなりお得に利用できますが、洋服ごとに撥水加工の有無を指定できいないので使い所が難しいです。
洋服を選んで撥水加工するなら「単品制」、1点あたりの料金を抑えるなら「定額制」など条件に合わせてうまく使い分けてくださいね。
3.汗抜き加工の効果と詳細について
汗抜き加工はドライクリーニングでは落としきれない汗や皮脂汚れを、水洗いや特殊な溶剤を使って除去するオプション加工です。
ドライクリーニングは縮みや型崩れを起こさず洗えるのが大きなメリットですが、水を使って洗わないので汗や雨水といった水溶性の汚れが落ちにくいデメリットがあります。
「クリーニングに出したのに汗の臭いや黄ばみが取れていなかった」こんな経験がある人も多いかと思いますが、その原因は水洗いをしていないからです。
汗抜き加工を行えば水洗いができないスーツや制服、ダウンジャケットやコートといったドライクリーニング品でも、汗の臭いや黄ばみをきれいに取り除くことができます。
注意点としてはお店によって汗抜き加工の施工方法が違うという点です。
汗抜き加工の違いについて
汗抜き加工には大きく分けて「ウェットクリーニング」と「汗抜きドライ」の2種類があります。
「ウェットクリーニング」はその名の通り水を使って汚れを落とす施工方法のことで、通常のドライクリーニングと水洗いを併用して水溶性の汚れを落とします。
一方「汗抜きドライ」は通常のドライクリーニングに水溶性の汚れが落ちる特殊な溶剤を添付して汚れを落とします。
「ウェットクリーニング」と「汗抜きドライ」の違い
- ウェットクリーニング:「ドライクリーニング + 水洗い」で汚れを落とす
- 汗抜きドライ:「ドライクリーニング + 特殊な溶剤」で汚れを落とす
どちらも同じ水溶性の汚れを落とす効果がありますが、「水を使うか使わないか」という点で大きく異なります。
一般的には直接水を使って洗う「ウェットクリーニング」の方が汚れ落ちは良いとされていますが、ドライクリーニング + 水洗いと2回の洗浄を行うため料金は「汗抜きドライ」に比べ高めに設定されていることが多いです。
またドライ表示の洋服を水洗いするには高度な技術を要するので、店舗によって仕上がりに差が出ることもあります。
まとめると、
ウェットクリーニングの特徴
汚れ落ちは良いが料金が高い。お店によって仕上がりに差が出やすい
汗抜きドライの特徴
水洗いに比べて汚れ落ちは劣るが料金は安い。衣類への負担が少ない
こんな感じになります。
汗抜き加工を利用する際はお店のホームページを見るか直接確認するかして、施工内容を事前に確認するようにしてくださいね。
汗抜き加工の料金相場は?
汗抜き加工のオプション料金は先程お話しした通り施工方法やお店によって変わりますが、大体450円~1,500円くらいが相場です。
こちらも撥水加工と同じように定額制を利用すれば安く利用できますので、条件や用途に合わせてうまく使い分けてくださいね。
用途に合わせて選ぶオプション
続いては定番とまでは言えないものの、用途に合わせてうまく活用すれば非常に便利なオプション加工についての紹介です。
用途に合わせて選ぶオプション加工
- 防臭・消臭加工
- 防虫・防カビ加工
- 上級仕上げ加工
- 折り目加工
使い所を選ぶオプションにはなりますが、その効果は絶大です。ぜひ活用してみてくださいね。
防臭・消臭加工の効果と詳細について
防臭・消臭加工は外からつく嫌な臭いや、すでに衣類についた臭いを解消する悪臭に特化したオプション加工です。
高濃度の銀イオンや特殊な消臭剤などを用いて臭いのもとになる成分や雑菌の繁殖を抑制し、汗の臭いやペット臭、タバコ臭や焼き肉臭などあらゆる悪臭を取り除くとともに臭いの付着を防ぎます。
- 洋服についた汗の臭いや脇の臭い、加齢臭が気になる
- お気に入りの洋服にタバコや焼き肉の臭いを付けたくない
こんな悩みのある人にピッタリなオプションですね。
注意点としては一度でも洗濯をすると消臭成分が洗い流されて効果が弱まるので、定期的に洗濯するようなインナー類には加工しないほうがいいでしょう。
手軽に洗えない、かつ外からの臭いが付着しやすいスーツやコートといったジャケット類に加工するのがおすすめです。
「常に高い防臭効果を維持したい!」そんな人はクリーニング毎の加工がおすすめですよ。
防臭・消臭加工の料金相場は?
防臭・消臭加工のオプション料金もお店によって変わりますが、大体500円~1,500円程度が相場です。
こちらも他のオプション加工と同じように定額制を利用すれば安く利用できますので、条件や用途に合わせてうまく使い分けてください。
防虫・防カビ加工の効果と詳細について
防虫・防カビ加工は虫を寄せ付けない特殊な溶剤で衣類全体をコーティングし、大切な衣類を虫やカビから守るオプション加工です。
市販の防虫剤や湿気剤とは違い直接衣類にコーティングを施すので、効果や持続性が市販品と比べて高いのが大きな特徴です。
おすすめの衣類としてはシーズンやイベントが終わって長期間保管しておくようなコートやジャケット、結婚式用のドレスやワンピース、ニット類などが適しています。
他にも害虫は動物繊維や植物繊維の衣類を好んで食べる傾向があるので、
- 動物繊維:ウール、シルク、アンゴラ、カシミヤなど
- 植物繊維:綿、麻など
といった高級素材の衣類に加工するのもおすすめです。
- お気に入りの洋服を大切に長く着続けたい
- 久しぶりに出した洋服に虫食いの穴が・・・
- 湿気対策をしていたのにカビだらけだった
こんな人にはピッタリなオプションですよ。ぜひ検討してみてくださいね。
防虫・防カビ加工の料金相場は?
防虫・防カビ加工は利用できる店舗自体が少ないので、オプションが必要かどうかで判断するのといいですよ。
個人的には防虫・防カビだけでなく、防臭や防ダニまで対応している宅配クリーニング店「プロケア」がおすすめです。
定額制のパック料金なので洋服ごとに追加することはできませんが、5点パック2,750円と1枚あたり550円で利用できるのでお得ですよ。
「プロケア」って何?という人は下記を参考にしてください。
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上級仕上げ加工の効果と詳細について
上級仕上げ加工は通常のクリーニングと比べてワンランク上の仕上がりを実現する、ちょっと贅沢なオプション加工です。
デラックス加工や贅沢仕上げ、エクセレント加工など店舗によって呼び名は変わりますが、洋服の素材やデザインに合わせて最適なクリーニングを施してくれます。
上級仕上げ加工のクリーニング内容(一例)
- 1点1点手仕上げ加工
- 花粉やほこり、静電気などをブロックする特殊加工
- そのまましまえる不織布カバー付き
- 洋服の素材やデザインに合わせた最適な洗い
- ハリがなくなった洋服にハリを戻す
お気に入りの洋服や長持ちさせたい洋服、ブランドの洋服など「お金はかかってもいいから大事にしたい!」そんな洋服には上級仕上げ加工がおすすめですよ。
上級仕上げ加工の料金相場は?
上級仕上げ加工は他のオプションと違って店舗のオリジナリティが出やすいオプションになるので、相場という概念はありません。
その店舗が提供するクリーニング内容を確認したうえで、納得のいく料金かどうかで判断しましょう。
折り目加工の効果と詳細について
折り目加工はスラックスのセンターラインやスカートのプリーツのクセを、より長くキープさせるためのオプション加工です。
折り目自体は通常のクリーニングに出すだけでも付けてくれますが、キープ力が弱いので雨に濡れると型崩れしやすいデメリットがあります。
「せっかく付けた折り目が雨に濡れて取れてしまった」こんな時には折り目加工がおすすめです。
形状記憶効果のある特殊な薬剤を塗付することで、雨に濡れても折り目が消えない強力なキープ力を実現します。
- スーツを着用して外回りをするビジネスマンやビジネスウーマン
- 就職活動中の学生さん
見た目が大切なビジネスパーソンや就活生にはピッタリなオプションですよ。
折り目加工の料金相場は?
折り目加工の料金相場は大体500円程度ですが、プリーツの本数によって料金が変わったりスラックスしか対応していない店舗もあったりしますので、利用の際には必ず注意事項を読んで確認してくださいね。
オプションを利用する際の注意点
最後にオプションを利用する際の注意点についてまとめておきます。
オプションを利用する際の注意点
- オプション内容や注意事項は必ず確認する
- 気になる場所は事前に印をつけておく
- 戻ってきた衣類はしっかりとチェックする
1.オプション内容や注意事項は必ず確認する
同じオプションでも店舗によって対応できる衣類や施工内容が異なりますので、利用する前には必ずオプション内容と注意事項を確認するようにしてください。
具体的には
- オプションの施工内容(効果や持続期間など)
- 依頼したい衣類の対応可否
- ブランド品や装飾品に伴う追加料金の有無
- 料金体系の確認(1着ずつなのかセット価格なのか)
- 仕上がり日数
といったことを重点的に見ておきましょう。
2.気になる場所は事前に印をつけておく
撥水や防臭など洋服全体に加工するオプションの場合は必要ありませんが、シミ抜きや補修を伴うオプションを利用する場合は、必ずその場所がわかるように印をつけておいてください。
お店側も修復する前にはきちんと検品はしますが、分かりづらい場所だと見落とす可能性もないとは言えません。
出す前と戻ってきた後の状態に変化がなかった場合、見落としなのか?それとも処理したけど修復できなかったのか?この判断が非常に難しくなります。
わざわざ問い合わせて聞くのも面倒ですから、気になる場所は事前に印をつけておくようにしましょう。
3.戻ってきた衣類はしっかりとチェックする
宅配クリーニングには洋服が戻ってきてから一定期間内であれば無料で再仕上げができるサービスがありますので、洋服到着後はなるべく早く開梱して仕上がり状態をチェックしましょう。
おすすめのやり方は事前に気になる場所の写真を撮っておくことです。
これならたとえ出してから期間が開いたとしても、仕上がり状態をしっかりと確認することができます。
まとめ
今回は宅配クリーニングで利用できる基本的なオプションと、用途に合わせて利用すると便利なオプションについて紹介してきました。
オプションを追加すると料金が高くなるのでなかなか気軽には利用できませんが、手入れが楽になったりより長く快適に着続けることができるなどメリットも非常に大きいです。
とくに撥水加工や汗抜き加工はその恩恵も大きく、利用価値の高いオプションと言えます。
クリーニング料金が気になる場合は、
- クリーニングごとではなく2回に1回だけ利用する
- お気に入りの洋服やブランドの洋服だけに限定する
など、料金を調節しながらうまく活用してみてくださいね。
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